推薦コメント「薬剤師 河野太治 氏」

私がレナードと出会った場所は、図書館でした。その頃の私は学生で、精神的に辛い時期にあり、その辛さを和らげる何かを探し、日々、本を読むことに明け暮れていました。その時に出会ったのが、レナードの『「今この瞬間」への旅』です。

初めて読んだときに、自分の内の奥深いところに訴えてくる不思議な感覚を覚え、それが何なのかを知りたくなり、時間をおいて何度も読み返しました。そのうちに、自分の人生観がまったく新しいものに塗り替わっていきました。

例えば、自分の人生を辛いものにしていたのは、現実ではなく、現実に対する自分の考えであること。自分の心は、人生で起きることに対してとても敏感に反応していること。重要なのは、与えられた現実の一瞬一瞬に対して心を開くことなどです。

レナードのガイダンスは、シンプルなメソッドで、私たちの抱えている凝り固まった観念や概念や信念といったものを、見事なまでに綺麗に溶かしてくれます。

清里リトリートにも参加させていただきましたが、清里という自然豊かな静寂の続く環境で、集まった皆様と行う数々のワークは、どれも想像を超えた素晴らしいものでした。また参加された多種多様な方々とお話しすることも、自分の価値観を広げる一助となりました。

何気なく手に取った一冊の本が、今ここで文章を書いている現在に結びついていると考えると、私の思考で組み立てた計画の及ばない、壮大な叡智を感じずにはいられません。

私の好きなウィリアム・ブレイクの詩の一遍「一粒の砂に世界を、一輪の花に天国を見るには、手のひらに無限を、ひとときに永久の時を掴め」は、その壮大な叡智は環境や状況に依存せずに、意識することでいつでも直接体験することができることを教えてくれます。
そして、その体験こそがレナードの言うプレゼンスの真髄なのだと思います。

現在は社会人となり、病院薬剤師として社会と関わっています。まだまだ新米なので、知識を付けることから始まり、それをどうやって目の前の患者に活かせる知恵に変えられるかということに日々悩み、うまくいかずに苦しむことも多々ありますが、それらの体験も大きな観点から見れば大丈夫であることに安心しながら研鑽を積む毎日を過ごしています。

レナードのガイダンスのおかげで、私は自分の正体に自分で気づくことができました。これには感謝してもしきれるものではありません。

私はこれからも生かされている間は生きていくことを続けます。生きていれば心を乱すような出来事も起こるでしょうし、自分の臆病な部分はまだ残っています。
ですが、それらも含めて現実が与えてくれるすべての出来事に対して、目を背けずに心を開いてあるがままに迎え入れ、プレゼンスを深めていくことが、今の私にとってなによりも大切なことです。

<プロフィール>
1990年、愛知県生まれ。県内の薬学部を卒業後、病院薬剤師として病院に勤務。

ひとときに永遠の時を掴め